ショベルは濃い目の燃調でいいの? [その他 FLH]
12月6日(水)晴れ
お疲れ様です。大阪は今日も寒い一日でした。
空冷大排気量エンジンには良い季節ですが、乗り手には厳しくなってきました。
今日は写真なしの長文なので、興味のない方はスルーして下さい。
さて、ショベルは濃い目の燃調で温度を下げるべし。と言った意見をよくネット上で散見しますが、本当にそれでいいのでしょうか?
温度の事はそれで間違いないと思います。
私が「濃い目」に疑問を感じているのは、温度とは別の他の事です。
また「濃い目」と言っても表現に幅があり一体どれくらいの事なのでしょう?
20年ほど前、レターショップに勤めていた時に、ショベルの焼き付き修理を数件手掛けることになりました。
その焼き付いた車両の全てに、「吸気側」に大きな損傷が見られたのが印象的だったのでよく覚えています。
中には吸気側「のみ」ガリガリの車両もありました。
私に浅い経験しかなかったので、吸気側ダメージの車両にしか当たらなかったのかもしれません。
しかし何故、吸気側にダメージが出るのでしょう?
ピストンは、一番高熱になる排気側が膨張することを予め想定して楕円です。
焼き付き=高温ダメージだとするなら排気側が焼き付くのでは?
少し話を遠回しにします。
私はレターショップに勤務する前の、88年~94年は3級ガソリンエンジン資格を取得して、国産バイクの整備士でした。
その間の90年初頭にトレールバイク(オフロードバイク)ブームがやって来ました。
バイクを酷使する林道ツーリングやエンデューロレースを楽しむライダーが増え、当時私が勤務していた整備工場は、オフ車にも力を入れていたので連日大忙しです。
そんな中、夏のお盆休みに日本各地の有名な林道を走る為に、セロー225やXLR250で高速道路を使い長距離を走るライダーに悲劇が訪れます。
高速道路を走行中にバイクのエンジンから「ガチャガチャガチャガチャ」「カンカンカンカン」「コンコンコンコン」等、聞く人の表現で変わりますが、激しい異音が鳴りだします。
この様な経緯を得て、修理に持ち込まれたオフロードバイクの殆どに、「吸気側」に激しい損傷が見られた事をよく覚えています。
ポイントは、林道やエンデューロレースを走るバイクの高速走行にあります。
オフ車でダートを走るライダーは良く知っている事ですが、ダートを走るとコースや林道の状態にもよりますが、一発でエアクリーナーが砂塵でコテコテになり目詰まりを起こします。
感のいい方はここで気付いたと思います。
ダートを走るのにエアクリーナーの手入れ不足のライダーは、本人が望まない知らぬうちに「濃い目」の状態で高速道路を走り、悲劇に見舞われていました。
シリンダー、ピストンの吸気側に深いダメージが見られたオフ車のエアクリーナーは、砂塵でコテコテになっていてプラグは黒くすすけていたと記憶しています。
同じく焼き付いたショベルのプラグも黒く、「濃い目」の燃調が乗り手の意思で施されていました。
かぶってエンジンが止まるならまだ幸いだったのですが・・・
どれくらいプラグが黒かったかは覚えていません。
写真があれば分かりやすいのですが、20年くらい前の勤務中の話しなので流石に写真はありません。
かぶらずに走れる程度の黒さだったのだと思います。
「濃い目」とはガソリン濃い目を意味していますが、これらの結果はガソリンの成分がオイルの性能に影響を与えた結果だと考えられます。
ガソリンに十分な潤滑性はありません。
揮発性が高くむしろ油膜に悪影響を及ぼす可能性が高いでしょう。
吸気バルブから、ガソリン多量の濃い目の混合気がシリンダー内に流入し、シリンダー吸気側側面を中心に油膜が切れて(潤滑を失い)吸気側が大きく損傷する。
で、吸気側ダメージの説明がつくと考えています。
また、「濃い目」の混合気はシリンダー内で圧縮工程の際に、クランクケースにも確実に吹き抜けます。(ブローバイガス)これはショベルに限らず4サイクルエンジン全般に言えることです。
誤解を恐れずに簡単に言ってしまえば、濃い目はクランクケース内のエンジンオイルにガソリン量が多く混ざるってことです。
いくら高価で高性能なエンジンオイルでも、微量のガソリン混入が続けば、その性能を維持発揮するのは難しいでしょう。
この様な事からショベルの燃調=「濃い目」に疑問を感じています。
疑問を感じているだけで、濃い目のセッティングを否定するつもりはありません。
濃い目の燃調で、調子のいいショベルが沢山走っている事は知っています。
濃い目で調子良く走らせているライダーは独自の経験を積み、濃い目の「表現の幅」を良く理解されているのだと思います。
ただプラグ真っ黒を狙ったセッティングで走らせている方はいないと思います。
どれくらい濃い目だと悪影響がでる可能性がある等の明言は、私の浅い経験と知識ではできません。
点火時期など車両ごとの個体差も存在しています。
濃い目にも幅があり、またガソリンでエンジンを潤滑できない事を知っていればいいと思います。
逆にプラグが白っぽい薄目のセッティングはご存知の通り、ノッキングや排気側にダメージが出る等々、いろいろ問題が起こる可能性があります。
なので私はプラグ焼け具合はキツネ色を狙っています。
が、2,3年プラグを外してないのでまた確認しときます。
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お疲れ様です。大阪は今日も寒い一日でした。
空冷大排気量エンジンには良い季節ですが、乗り手には厳しくなってきました。
今日は写真なしの長文なので、興味のない方はスルーして下さい。
さて、ショベルは濃い目の燃調で温度を下げるべし。と言った意見をよくネット上で散見しますが、本当にそれでいいのでしょうか?
温度の事はそれで間違いないと思います。
私が「濃い目」に疑問を感じているのは、温度とは別の他の事です。
また「濃い目」と言っても表現に幅があり一体どれくらいの事なのでしょう?
20年ほど前、レターショップに勤めていた時に、ショベルの焼き付き修理を数件手掛けることになりました。
その焼き付いた車両の全てに、「吸気側」に大きな損傷が見られたのが印象的だったのでよく覚えています。
中には吸気側「のみ」ガリガリの車両もありました。
私に浅い経験しかなかったので、吸気側ダメージの車両にしか当たらなかったのかもしれません。
しかし何故、吸気側にダメージが出るのでしょう?
ピストンは、一番高熱になる排気側が膨張することを予め想定して楕円です。
焼き付き=高温ダメージだとするなら排気側が焼き付くのでは?
少し話を遠回しにします。
私はレターショップに勤務する前の、88年~94年は3級ガソリンエンジン資格を取得して、国産バイクの整備士でした。
その間の90年初頭にトレールバイク(オフロードバイク)ブームがやって来ました。
バイクを酷使する林道ツーリングやエンデューロレースを楽しむライダーが増え、当時私が勤務していた整備工場は、オフ車にも力を入れていたので連日大忙しです。
そんな中、夏のお盆休みに日本各地の有名な林道を走る為に、セロー225やXLR250で高速道路を使い長距離を走るライダーに悲劇が訪れます。
高速道路を走行中にバイクのエンジンから「ガチャガチャガチャガチャ」「カンカンカンカン」「コンコンコンコン」等、聞く人の表現で変わりますが、激しい異音が鳴りだします。
この様な経緯を得て、修理に持ち込まれたオフロードバイクの殆どに、「吸気側」に激しい損傷が見られた事をよく覚えています。
ポイントは、林道やエンデューロレースを走るバイクの高速走行にあります。
オフ車でダートを走るライダーは良く知っている事ですが、ダートを走るとコースや林道の状態にもよりますが、一発でエアクリーナーが砂塵でコテコテになり目詰まりを起こします。
感のいい方はここで気付いたと思います。
ダートを走るのにエアクリーナーの手入れ不足のライダーは、本人が望まない知らぬうちに「濃い目」の状態で高速道路を走り、悲劇に見舞われていました。
シリンダー、ピストンの吸気側に深いダメージが見られたオフ車のエアクリーナーは、砂塵でコテコテになっていてプラグは黒くすすけていたと記憶しています。
同じく焼き付いたショベルのプラグも黒く、「濃い目」の燃調が乗り手の意思で施されていました。
かぶってエンジンが止まるならまだ幸いだったのですが・・・
どれくらいプラグが黒かったかは覚えていません。
写真があれば分かりやすいのですが、20年くらい前の勤務中の話しなので流石に写真はありません。
かぶらずに走れる程度の黒さだったのだと思います。
「濃い目」とはガソリン濃い目を意味していますが、これらの結果はガソリンの成分がオイルの性能に影響を与えた結果だと考えられます。
ガソリンに十分な潤滑性はありません。
揮発性が高くむしろ油膜に悪影響を及ぼす可能性が高いでしょう。
吸気バルブから、ガソリン多量の濃い目の混合気がシリンダー内に流入し、シリンダー吸気側側面を中心に油膜が切れて(潤滑を失い)吸気側が大きく損傷する。
で、吸気側ダメージの説明がつくと考えています。
また、「濃い目」の混合気はシリンダー内で圧縮工程の際に、クランクケースにも確実に吹き抜けます。(ブローバイガス)これはショベルに限らず4サイクルエンジン全般に言えることです。
誤解を恐れずに簡単に言ってしまえば、濃い目はクランクケース内のエンジンオイルにガソリン量が多く混ざるってことです。
いくら高価で高性能なエンジンオイルでも、微量のガソリン混入が続けば、その性能を維持発揮するのは難しいでしょう。
この様な事からショベルの燃調=「濃い目」に疑問を感じています。
疑問を感じているだけで、濃い目のセッティングを否定するつもりはありません。
濃い目の燃調で、調子のいいショベルが沢山走っている事は知っています。
濃い目で調子良く走らせているライダーは独自の経験を積み、濃い目の「表現の幅」を良く理解されているのだと思います。
ただプラグ真っ黒を狙ったセッティングで走らせている方はいないと思います。
どれくらい濃い目だと悪影響がでる可能性がある等の明言は、私の浅い経験と知識ではできません。
点火時期など車両ごとの個体差も存在しています。
濃い目にも幅があり、またガソリンでエンジンを潤滑できない事を知っていればいいと思います。
逆にプラグが白っぽい薄目のセッティングはご存知の通り、ノッキングや排気側にダメージが出る等々、いろいろ問題が起こる可能性があります。
なので私はプラグ焼け具合はキツネ色を狙っています。
が、2,3年プラグを外してないのでまた確認しときます。
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